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【検証#14】「ボーナスで10万円スタート」の落とし穴 — マーチンEAがボーナスを残して“現金だけ”溶かした日

ボーナスとマーチンとスワップの落とし穴

この記事の3行まとめ

  • 「10万円スタート」と言っていましたが、正直に言うと現金5万円+ボーナス5万円でした。そして自作マーチンEAは、現金5万円分を使い切った瞬間に全決済されました。
  • 原因は2つ。①EAのロジックがボーナス(クレジット)を“残高”として計算に入れていなかったこと。②日をまたぐスワップが、最終的な損失の約4分の1を占めていたこと。
  • マーチンは「小さく何度も勝って、一発で全部返す」手法。今回も約19日分の利益をたった1回のバスケットで吐き出しました。身銭を切って分かった落とし穴を共有します。

この記事の前提

これは実在のリアル口座での運用記録をもとにした体験談です。特定の業者・商品を推奨するものではなく、投資助言でもありません。スワップやボーナスの条件は時期・口座タイプ・業者の規約で変わります。ご自身の口座の規約を必ずご確認ください。数値は実際のログをもとに、わかりやすく丸めて記載しています。


はじめに ― まず正直に告白します

みなさん、こんにちは!FXおもしろラボ管理人です。

当サイトでは「10万円スタート」という表現をよく使ってきました。ですが今回は、その“10万円”の正体を正直にお話しするところから始めます。

実はこの10万円、自分のお金(現金)は5万円だけでした。残りの5万円は、海外業者のキャンペーンでよくある入金ボーナスです。「5万円入金すると、もう5万円分のボーナス(クレジット)が付いて、合計10万円分の資金で取引できる」——あの仕組みを使っていました。

「10万円分で戦えるなら、ギリギリまでマーチンゲール(ナンピン)で粘れるはず」。私はそう思っていました。

ところが結果は、現金の5万円分を使い切った時点で、EAが全ポジションを強制決済。ボーナスの5万円分は、ほとんど手つかずで残ったのです。

「え、まだ5万円分あるのに、なんで決済されたの?」

この“なんで”を、EAのログと取引履歴から徹底的に追いかけました。出てきたのは、ボーナス運用とマーチンEAをやる人なら全員ハマりうる3つの落とし穴でした。


何が起きたのか(時系列ダイジェスト)

使っていたのは、自作のマーチンゲール型EAです。ざっくり言うと、

  • アリゲーター(移動平均の組み合わせ)でトレンド方向にエントリー
  • 逆行したらロットを1.5倍ずつ増やして最大4段までナンピン
  • ハースト指数でトレンドが強すぎるときはナンピンを止めるフィルター付き

という構成。USDJPYの売り(ショート)で持っていました。

そして、こうなりました。

graph TD
    A["💰 10万円スタート<br/>(現金5万 + ボーナス5万)"] --> B["📈 小さな利確を積み重ね<br/>残高が一時 約11.3万円まで増加"]
    B --> C["📉 USDJPYが約2円逆行<br/>4段ナンピンが全段発動"]
    C --> D["⏰ 約19日間ホールド<br/>スワップが毎日積み上がる"]
    D --> E["🛑 現金分を使い切り全決済<br/>1回のバスケットで約-6.3万円"]
    style A fill:#e3f2fd,stroke:#1e88e5,color:#1a1a1a
    style B fill:#e8f5e9,stroke:#43a047,color:#1a1a1a
    style E fill:#ffebee,stroke:#e53935,color:#1a1a1a

小さな勝ちでコツコツ増やして、一時は残高が約11.3万円まで増えていました。ところが、たった1回の負けバスケットで約−6.3万円。約19日分の利益と元本を、一気に持っていかれました。

ここからが本題。なぜ「ボーナスを残して現金だけ」溶けたのか。


落とし穴① ボーナス(クレジット)は「残高」ではない

これが一番の技術的な核心です。EAを自作している人には、ぜひ知っておいてほしいポイントです。

海外業者のボーナスは、多くの場合「クレジット(Credit)」という扱いです。そして取引プラットフォーム(MT4/MT5)の内部では、お金は次のように区別されています。

項目 中身 今回の例
残高(Balance) 自分が入金した現金+確定損益 現金5万円ベース
クレジット(Credit) ボーナス。残高には含まれない 5万円
有効証拠金(Equity) 残高 + クレジット + 含み損益 これが本当の“体力”

ここで事故が起きました。

私のEAには「含み損が残高の○○%に達したら全決済する」という損切りロジックが入っていました。この“残高”が、プログラム上はクレジット(ボーナス)を含まない現金分だけだったのです。

graph LR
    A["EAが見ていた残高<br/>= 現金分のみ"] -->|この基準で損切り| B["現金が尽きた時点で<br/>全決済が発動"]
    C["ボーナス5万円<br/>(クレジット)"] -.->|EAは存在を無視| A
    style A fill:#fff3e0,stroke:#fb8c00,color:#1a1a1a
    style C fill:#eceff1,stroke:#90a4ae,color:#1a1a1a

つまり私は「10万円分で粘れる」と思っていたのに、EAは最初から現金5万円分しか見ていなかった。だから現金が尽きた瞬間に「もう限界だ」と判断して、ボーナスを残したまま手仕舞いしたわけです。

さらにダメ押しが、2回目のエントリーでした。1回目で現金がほぼ消えた後、EAが見ている残高はほぼゼロ円。すると「残高の○○%」という損切りラインもほぼゼロ円に縮みます。結果、新しく入ったポジションは、わずか数pips・約−340円の含み損が出た瞬間に即決済。ナンピンが発動する余地すらありませんでした。

EA自作勢への教訓

残高ベースの損切り・資金管理ロジックは、ボーナス運用だと意図せず早く発動します。クレジットも体力に含めたいなら、Balance ではなく Equity(有効証拠金)や証拠金維持率(Margin Level)を基準に組むこと。逆に「ボーナスは当てにしない」と決めるなら、それはそれで一貫した設計です。どちらにせよ“何を体力とみなすか”を意識的に決めるのが大事でした。


落とし穴② 日をまたぐスワップは“真綿で首を絞める”

2つ目はスワップです。これは体感していたものの、ログで実数を見て青ざめました。

今回のポジションは、最終的に約19日間ホールドしていました。USDJPYのショート(売り)は、毎日マイナススワップが発生します。

ここで誤解しがちなのですが、XMの場合スタンダード・マイクロ・ゼロ口座は、どれも同じスワップ設定です。「ゼロ口座にすればスワップが軽くなる」わけではありません(ゼロ口座の利点はスプレッドの狭さで、スワップは無関係)。XMでスワップそのものを消せるのは、メジャー通貨がスワップフリーのKIWAMI極口座だけです。

最終的なバスケットの損失約−6.3万円の内訳を見ると——

pie title 約-6.3万円の損失の内訳
    "価格の逆行による損失" : 47
    "スワップ(金利コスト)" : 17
  • 価格の逆行による損失:約 −4.7万円
  • スワップだけで:約 −1.7万円

なんと、損失の約4分の1がスワップ。価格が戻ってくるのを待っている間に、毎日毎日、金利コストで体力を削られていたのです。しかもナンピンでロットが膨らんでいるので、スワップも比例して増えます(水曜日は3日分まとめて付く業者も多い)。

ナンピン × マイナススワップ × 長期保有 は最悪の相性

マーチン/ナンピンは「価格が戻るまで耐える」前提の手法です。でも耐えれば耐えるほどスワップが膨らむ。「価格が戻る前に、スワップで先に力尽きる」——これがボーナス&スタンダード口座での典型的な負け方でした。売り方向で長く持つなら、スワップの符号と大きさは必ず事前に確認してください。

そして残酷な事実:「入金ボーナス」と「スワップフリー」はXMでは両立しない

「じゃあスワップフリーのKIWAMI極口座にすればいいのでは?」——ところが、ここに罠があります。XMでは口座タイプごとに条件が決まっていて、

  • スタンダード口座:入金ボーナス対象。でもスワップは発生する。
  • KIWAMI極口座:メジャー通貨はスワップフリー。でも入金ボーナスの対象外

つまり今回の「入金ボーナスで10万円スタート」を選んだ時点で、スワップは受け入れるしかなかったのです。「ボーナスでブーストしつつ、スワップは払わない」という美味しいとこ取りは、最初から仕組み上できませんでした。“どちらを取るか”を先に決める——これが口座選びの分かれ道です。


落とし穴③ マーチンは「小さく勝って、一発で返す」

3つ目は手法そのものの宿命です。

今回のログを並べると、見事なまでに「小さい勝ちの連続 → 一発の大負け」でした。

  • 4月末〜5月中旬:+1,470円、+4,994円、+2,387円、+2,345円、+2,408円……と小さく勝って残高は11.3万円へ
  • そして1回のバスケットで −6.3万円

マーチンの怖いところは、最大ロットを“いちばん不利な価格”で掴む点です。今回も、

段階 ロット 建値 役割
1段目 0.05 安い 様子見
2段目 0.07 やや不利
3段目 0.11 不利
4段目 0.16 最も不利な高値 最大ロット

価格がたった約2円逆行しただけで、合計0.39ロットの建玉が一気に重しになりました。勝率は高く見えても、1回の負けで勝ち分を全部返す——これがマーチンの数学的な性質です。

詳しくは姉妹記事もどうぞ。


落とし穴④ 「こまめに1万円ずつ出金」も、実は罠だった

当初の作戦は、「利益が1万円出るたびにコツコツ出金して、利益をどんどん手元に確定させていく」でした(EAの利益シミュレーションも“1万円ごとに利益を抜く”想定で組んでいました)。マーチンの「いつか一発で全部返す」リスクに対して、勝っている間に少しずつ現金化しておけば安全だろう、という発想です。

ところが、海外業者で実際に出金しようとすると、2つの壁にぶつかって、この作戦は成立しませんでした。

壁1:少額出金は手数料で割に合わない

国内銀行送金の場合、出金額が40万円未満だと1回あたり約2,500円の手数料がユーザー負担になります(40万円以上ならXM側が負担し実質無料)。

1万円を出金して2,500円取られたら、利益の約¼が手数料で消える計算。これを毎回やっていたら、コツコツ抜いた利益が手数料でゴリゴリ削られます。

壁2:出金するとボーナスが“比例して”消える(こっちが本命)

さらに効いてくるのがこれです。ボーナス(クレジット)が残っている口座から出金すると、出金額の割合に応じてボーナスも一緒に消えます。

おおまかな計算式はこうです。

\[ 消えるボーナス = \frac{出金額}{有効証拠金(残高)} \times 保有クレジット \]

具体例:残高10万円+ボーナス5万円の口座から5万円(残高の50%)を出金すると、口座は残高5万円+ボーナス2.5万円に。ボーナスも50%消えます。

graph LR
    A["残高10万 + ボーナス5万"] -->|"5万(50%)を出金"| B["残高5万 + ボーナス2.5万<br/>ボーナスも半減"]
    style A fill:#e8f5e9,stroke:#43a047,color:#1a1a1a
    style B fill:#fff3e0,stroke:#fb8c00,color:#1a1a1a

つまり「現金だけ抜いてボーナスは温存」は仕組み上できません。 出金するたびに、頼みの綱だったボーナスというクッションを、自分の手で削っていくことになります。

この2点(手数料+ボーナス比例消失)が分かったので、「1万円ごと」ではなく「ある程度まとまってから(10万円ごと)出金する」戦法に切り替えました。出金回数を減らし、できれば手数料無料ラインまで貯めてから引く——そのほうが、手数料でもボーナスでも傷が浅くて済むからです。

数字は時期・口座タイプで変わります

出金手数料の金額やボーナスの消失ルールは、業者・口座タイプ・時期によって変わります。本記事は2026年時点で確認した一般的な情報です。必ずご自身の口座の最新規約をご確認ください。


じゃあ、どう直す?(学びと対策)

身銭を切って得た対策を、再現性のある形でまとめます。

  1. “体力”の定義をコードで明示する。 残高(Balance)ベースの損切りは、ボーナス運用だと早すぎたり過敏になったりする。クレジット込みで粘りたいなら 有効証拠金(Equity)や証拠金維持率(Margin Level)基準に作り替える。
  2. 「ギリギリまで耐える=勝率は上がるが、負けは全額」だと理解する。耐える幅を広げるほど、失敗時の一撃が大きくなるだけ。許容できる最大損失を金額で先に決める。
  3. スワップを“見えるコスト”として扱う。 売り方向・長期保有・ナンピンの三重苦は要注意。XMならスワップフリーのKIWAMI極口座を検討する(スタンダード・ゼロは同じスワップなので、ゼロに変えても無意味)、保有日数に上限を設ける、などで出血を止める。ただしKIWAMI極は入金ボーナス対象外なので、ボーナスを取るか・スワップを消すかは事前に選ぶ
  4. ボーナスは「クッション」であって「自分のお金」ではない。 多くの業者で、口座が飛べばボーナスは消えます。勝ってもボーナス分は出金できないことが多い。結局リスクにさらしているのは自分の現金だと忘れない。

まとめ

「ボーナスで10万円スタート、ギリギリまでマーチンで粘る」——この作戦は、3つの理由で思惑どおりにいきませんでした。

  • ① EAがボーナスを残高として見ていなかったので、現金が尽きた時点で全決済された
  • スワップが損失の約¼を占め、価格が戻る前に体力を削られた
  • ③ マーチンは小さく勝って一発で返す手法で、最大ロットを最悪値で掴んでいた
  • 「こまめに出金」も手数料とボーナス比例消失で罠だったので、まとめて出金する方針に切り替えた

失敗は痛いですが、「クレジット≠残高」「スワップは時間とともに効く」「マーチンの一撃」「出金にもコストがある」という4点は、同じ仕組みで戦う人なら誰でもハマりうる落とし穴です。この記事が、あなたの現金を守る一助になれば幸いです。

それでも、検証は続けます

正直に言うと、私はこの「利益が貯まったらまとめて出金する」という戦法自体は、まだ捨てていません。

マーチンゲールには「高い勝率でコツコツ増える」というメリットと、「いつか一発で全部返す」というデメリットが、表裏一体で同居しています。だからこそ、勝っている局面で利益を“口座の外”に逃がしておく——出金で利益を確定させる——という発想は、マーチンの長所を活かしつつ短所(一撃の大負け)を緩和する、理にかなった付き合い方だと考えています。

今回の失敗で分かったのは、その出金にも「手数料」「ボーナスの目減り」というコストがあり、どのタイミングで・いくらまとめて出金するかの設計が重要だ、ということでした。ここはまさに検証のしがいがあるテーマです。

「いくら貯まったら出金するのが、手数料・ボーナス・一撃リスクのバランスとして最適か」——この問いを、これからも実際の運用とデータで検証していきます。続報をお楽しみに。

次の一手として検討中:KIWAMI極口座という選択肢

今回の最大の出血源だったスワップ(損失の約¼)を断つなら、XMの KIWAMI極口座 が有力候補です。特徴を整理すると——

  • 取引手数料は無料(ゼロ口座は手数料が外付けですが、KIWAMI極はスプレッドのみ)
  • 低スプレッド(USDJPYで最小0.6〜0.9pips程度)+ レバレッジ最大1000倍(スタンダードと同じ)
  • メジャー通貨ペア・ゴールド等がスワップフリー → 今回の約−1.7万円のスワップは、ほぼ発生しなかった計算

ただし、当然トレードオフもあります。

  • 入金ボーナスの対象外 → 「ボーナスで10万円スタート」のブーストは使えない
  • ❌ XMポイント(ロイヤルティ)対象外/プラススワップも付かない(買いでスワップ益を取る戦法は不可)
  • ⚠️ 株価指数CFD等は対象外。さらにマイナス方向に数か月レベルで長期保有すると、スワップフリーが解除される通告が来る場合あり

つまり今後の検証では、「ボーナスで資金をブーストする(スタンダード)」か「スワップを払わず腰を据えて持つ(KIWAMI極)」か——この口座選びそのものが、マーチンとの付き合い方を左右する大きな分岐点になりそうです。ここも実際に動かして比べてみます。

今回の一言

「10万円分ある」と思っていても、EAとプラットフォームが見ている“あなたの体力”は、もっと少ないかもしれません。自分の資金管理ロジックが、何を残高とみなしているか——一度コードを覗いてみてください。


※本記事は実運用の記録に基づく体験談であり、投資助言ではありません。ボーナス・スワップ・ロスカットの条件は業者・口座タイプ・時期により異なります。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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